医療機器の薬事に関する法規制情報提供サービス

QMS省令 第1章 総則

1条 趣旨

  1. この省令は、医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第23条の2の5第2項第4号(第23条の2の17第5項において準用する場合を含む。以下同じ。)および第80条第2項に規定する厚生労働省令で定める基準を定めるものとする。

第2条 定義

  1. この省令で「製造販売業者等」とは、医療機器または体外診断用医薬品(以下「医療機器等」という。)の製造販売業者(法第23条の2の17第4項に規定する選任外国製造医療機器等製造販売業者(以下「選任外国製造医療機器等製造販売業者」という。)および法第23条の3第1項の規定により選任された指定高度管理医療機器等の製造販売業者(以下「選任外国指定高度管理医療機器等製造販売業者」という。)を除く。)、法第23条の2の17第4項に規定する外国製造医療機器等特例承認取得者(以下「外国製造医療機器等特例承認取得者」という。)または法第23条の2の23第1項に規定する外国指定高度管理医療機器製造等事業者(以下「外国指定高度管理医療機器製造等事業者」という。)をいう。
  2. この省令で「製品」とは、構成部品等からなり、製造所の製造工程を経た物(製造の中間工程で造られたものであって、以後の製造工程を経ることによって製品となるもの(以下「中間製品」という。)を含む。以下同じ。)または法第2条第13項に規定する医療機器プログラムをいう。
  3. この省令で「構成部品等」とは、製造工程において使用される部品、組立品(製品に使用されるものに限る。)、原料、材料、容器、被包、表示物(添付文書を含む。以下同じ。)等であって、製品の一部となるものおよび製品のソフトウェア(法第2条第13項に規定する医療機器プログラムを除く。)をいう。
  4. この省令で「製造用物質」とは、製造工程において中間製品に使用される物(製品の一部となるものを除く。)をいう。
  5. この省令で「ロット」とは、一の製造期間内に一連の製造工程により均質性を有するように製造された製品、製造用物質および構成部品等(以下「製品等」という。)の一群をいう。
  6. この省令で「施設」とは、品質管理監督システムに含まれる製品実現(開発から出荷およびこれに附帯するサービスの提供までに行われる一連の業務をいう。以下同じ。) に係る施設(製造所を含む。)をいう。
  7. この省令で「バリデーション」とは、施設の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理および品質管理の方法(以下「製造手順等」という。)が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることをいう。
  8. この省令で「工程入力情報」とは、ある工程を実施するに当たって提供される、製造管理および品質管理のために必要な情報等をいう。
  9. この省令で「工程出力情報」とは、ある工程を実施した結果得られる情報等をいう。
  10. この省令で「管理監督者」とは、製造販売業者等の品質管理監督システムに係る業務を最上位で管理監督する役員等をいう。ただし、第82条および第83条において読み替えて準用する第2章から第5章の2までにおいては、製造業者の品質管理監督システムに係る業務を最上位で管理監督する役員等をいう。
  11. この省令で「製品受領者」とは、製品の出荷後に当該製品を取り扱う者(輸送のみに関与する者を除く。以下同じ。)をいう。ただし、第82条および第83条において読み替えて準用する第2章から第5章の2までにおいては、製品の製造業者からの出荷後に当該製品を取り扱う者をいう。
  12. この省令で「品質方針」とは、製品の品質を確保するために管理監督者が定め、表明する基本的な方針をいう。
  13. この省令で「品質管理監督システム」とは、製造販売業者等が品質に関して管理監督を行うためのシステムであって、当該管理監督のための資源配分がなされ、適切に運用されるものをいう。ただし、第82条において読み替えて準用する第2章から第5章の2までにおいては、製造業者が品質に関して製造所の管理監督を行うためのシステムを、第83条において読み替えて準用する第2章から第5章の2までにおいては、製造業者が品質に関して管理監督を行うためのシステムをいう。
  14. この省令で「照査」とは、設定された目標を達成する上での適切性および有効性を判定することをいう。
  15. この省令で「資源」とは、個人の有する知識および技能並びに技術、設備その他の施設における業務に活用される資源をいう。
  16. この省令で「業務運営基盤」とは、施設における業務に必要な施設、設備およびサービスの体系をいう。
  17. この省令で「通知書」とは、製品の受渡し時に提供した情報を補足し、または当該製品に係る医療機器等の使用若しくは回収においてとるべき措置について助言するために、製造販売業者等が製品の受渡しの後に発行する文書をいう。
  18. この省令で「特別採用」とは、製品に係る要求事項(以下「製品要求事項」という。) に適合していない製品について、その製品の製造管理および品質管理に支障がなく、薬事に関する法令またはこれらに基づく命令若しくは処分(以下「法令の規定等」という。) に適合することを適切に確認した上で、その使用若しくは操作の許可、工程の次の段階に進むことの許可または出荷若しくは受入れの決定を行うことをいう。
  19. この省令で「再製造単回使用医療機器」とは、単回使用の医療機器(1回限り使用できることとされている医療機器をいう。以下同じ。)のうち、再製造(単回使用の医療機器が使用された後、新たに製造販売をすることを目的として、これに検査、分解、洗浄、滅菌その他必要な処理を行うことをいう。以下同じ。)をされたものをいう。
  20. この省令で「再生部品」とは、第3項に規定する構成部品等のうち、医療機関において使用された単回使用の医療機器の全部または一部であって、再製造の用に供されるものをいう。
  21. この省令で「植込医療機器」とは、人の身体内に埋設される若しくは人の身体の自然開口部に挿入される医療機器または人の皮膚若しくは眼の表面を代替する医療機器であって、その全部または一部が30日以上留置されることを目的として使用されるものをいう。
  22. この省令で「類似製品グループ」とは、医療機器等の製造販売業者等が製造販売する当該医療機器等に係る製品であって、当該製品に係る医療機器等の意図した用途に応じた機能、性能および安全性について同等の基本設計を有するものの一群をいう。
  23. この省令で「市販後監視」とは、医療機器等の製造販売から得られた情報の収集および分析に係る体系的な業務(製造販売後安全管理に関する業務を含む。)をいう。
  24. この省令で「購買物品等」とは、製造販売業者等が他から提供される中間製品、構成部品等および製造に用いる物質並びにサービスをいう。
  25. この省令で「無菌バリアシステム」とは、製品に係る医療機器等の使用のときまで当該医療機器等を微生物による汚染から防止ることを目的として用いられる包装をいう。
  26. この省令で「使用性」とは、製品に係る医療機器等の特性のうち、使用者による安全かつ適正な使用または操作のために必要であって、意図した用途に応じた機能、性能および安全性が十分に発揮され、かつ、使用者の要求を充足させるために必要な性質をいう。

第3条 適用の範囲

  1. 製造販売業者等は、第2章および第3章の規定に基づき、製品の製造管理および品質管理を行わなければならない。
  2. 製造販売業者等は、生物由来製品たる医療機器等、法第43条第2項の厚生労働大臣の指定する医療機器および細胞組織医療機器(人または動物の細胞または組織から構成された医療機器をいう。以下同じ。)(以下「生物由来医療機器等」と総称する。)に係る製品の製造管理および品質管理については、第2章および第3章の規定のほか、第4章の規定に基づき行わなければならない。
  3. 製造販売業者等は、放射性医薬品(放射性医薬品の製造および取扱規則(昭和36年厚生省令第4号)第1条第1号に規定する放射性医薬品をいう。以下同じ。) たる体外診断用医薬品(以下「放射性体外診断用医薬品」という。)に係る製品の製造管理および品質管理については、第2章および第3章の規定のほか、第5章の規定に基づき行わなければならない。
  4. 製造販売業者等は、再製造単回使用医療機器に係る製品の製造管理および品質管理については、第2章および第3章の規定のほか、第5章の2の規定に基づき行わなければならない。