医療機器の薬事に関する法規制情報提供サービス

【パブコメ情報】ユーザビリティエンジニアリングの医療機器への適用(JIS T62366-1)

パブリックコメントについて

厚生労働省が、2021年7月27日に「JIS T62366-1 医療機器-第1部:ユーザビリティエンジニアリングの医療機器への適用」の改正案についてのパブリックコメントの募集を開始しました。

【パブリックコメント募集期間】
2021年7月27日0時0分~2021年9月26日23時59分

改訂の要点

今回の改正は、引用規格であるJIS T14971:2020との整合を図るものです。

主な改正点は以下です:

  • ユーザーインターフェイス評価計画の確立”における「総括的評価の計画」において、ユーザビリティ試験の場合、試験環境及び使用条件は、現行規格で規定する「実際の使用条件」ではなく、「意図する使用環境」とし、試験の参加者の特性及び参加者数を考慮して、ハザード関連使用シナリオに対する「正しい使用」も明確にするように規定を追加
  • 試験における観測対象として、現行規格の「使用エラー(USE ERROR)」に加えて、「使用の困難さ(use difficulty)」を追加
  • 「ユーザーインターフェイスのユーザビリティに関する総括的評価の実施」において、総括的評価での分析対象として、現行規格の「使用エラー(USE ERROR)」に加えて、「使用の困難さ(use difficulty)」についての分析を追加

JIS T62366-1とJIS T14971の関係

改正予定のJIS T62366-1は、対応する国際規格であるIEC 62366-1:2015およびAMD1:2020を基としています。

当該国際規格( IEC 62366-1:2015およびAMD1:2020 )では医療機器のリスクマネジメント規格であるISO14971:2019(JIS T14971:2020)が引用されています。

ISO 14971は2019年に改訂がなされ、 セキュリティ、ユーザビリティなどの分野への適用範囲の拡大や、保守を含む全ての製品ライフサイクルに対応可能とすることなどが盛り込まれました。

引用規格であるISO14971の改訂との整合を図るため、 IEC 62366-1:2015 に必要な改訂( AMD1:2020 )がなされました。

JIS T62366-1およびJIST14971は上記の国際規格の改訂の動きを国内に取り入れたものです。

なお、改正後のISO14971:2019は2020年にJIS化されています。

本邦におけるJIS T 14971:2020の適用期日については以下の記事をご覧ください。