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QMS省令 第2章 第3節 管理監督者の責任

第10条 管理監督者の関与

  1. 管理監督者は、品質管理監督システムの確立および実施並びにその実効性の維持に責任をもって関与していることを、次に掲げる業務(限定第3種医療機器製造販売業者の管理監督者にあっては、第1号および第5号に掲げる業務に限る。)を行うことによって実証しなければならない。
    1. 法令の規定等および製品受領者が要求する事項(以下「製品受領者要求事項」という。)(限定第3種医療機器製造販売業者の管理監督者にあっては、法令の規定等に限る。)に適合することの重要性を、全ての施設に周知すること。
    2. 品質方針を定めること。
    3. 品質目標が定められているようにすること。
    4. 第18条第1項に規定する照査を実施すること。
    5. 資源が利用できる体制を確保すること。

第11条 製品受領者の重視

  1. 管理監督者(限定第3種医療機器製造販売業者の管理監督者を除く。次条から第14条まで、第16条、第18条および第19条において同じ。) は、適用される法令の規定等および製品受領者要求事項が明確にされ、かつ、製品がこれらに適合しているようにしなければならない。

第12条 品質方針

  1. 管理監督者は、品質方針が次に掲げる条件に適合しているようにしなければならない。
    1. 製造販売業者等の意図に照らし適切なものであること。
    2. 品質管理監督システムに係る要求事項への適合および品質管理監督システムの実効性の維持について、管理監督者が責任をもって関与することを規定していること。
    3. 品質目標の策定および照査に当たっての枠組みとなるものであること。
    4. 全ての施設に周知され、理解されていること。
    5. 品質管理監督システムの適切性を維持するために照査されていること。

第13条 品質目標

  1. 管理監督者は、各施設において、各部門および各階層に応じた品質目標(製品要求事項への適合のために必要な目標を含む。)が定められているようにしなければならない。
  2. 前項の品質目標は、その達成状況を評価しうるものであって、かつ、品質方針との整合性のとれたものとしなければならない。

第14条 品質管理監督システムの計画の策定

  1. 管理監督者は、品質管理監督システムが第5条から第5条の6までの規定および品質目標に適合するよう、その実施に当たっての計画が策定されているようにしなければならない。
  2. 管理監督者は、品質管理監督システムの変更を計画し、実施する場合においては、品質管理監督システムが不備のないものであることを維持しなければならない。

第15条 責任および権限

  1. 管理監督者は、全ての施設において、各部門および当該部門の構成員に係る責任および権限が定められ、文書化され、周知されているようにしなければならない。
  2. 管理監督者は、品質に影響を及ぼす業務を管理監督し、実施し、または検証する者の全てについて、相互の関係を定め、当該職務を行うために必要な独立性を確保するとともに、必要な責任および権限が与えられているようにしなければならない。

第16条 管理責任者

  1. 管理監督者は、製造販売業者等の役員、管理職の地位にある者その他これに相当する者のうちから製造販売業者等の品質管理監督システムの実施および維持の責任者(以下「管理責任者」という。)を任命しなければならない。
  2. 管理監督者は、管理責任者に、次に掲げる業務に係る責任および権限を与えなければならない。
    1. 工程が確立され、文書化され、実施され、および維持されるとともに、その実効性が維持されているようにすること。
    2. 品質管理監督システムの実効性およびその改善の必要性を管理監督者に報告すること。
    3. 全ての施設において、法令の規定等および品質管理監督システムに係る要求事項についての認識が向上するようにすること。

第17条 内部情報伝達

  1. 管理監督者は、各施設内および各施設間において、適切に情報の伝達が行われる仕組みを確立するとともに、品質管理監督システムの実効性に関わる情報交換が確実に行われることを担保しなければならない。

第18条 管理監督者照査

  1. 製造販売業者等は、品質管理監督システムについて、その適切性、妥当性および実効性の維持を確認するための照査(品質管理監督システム(品質方針および品質目標を含む。)の改善または変更の必要性の評価を含む。以下「管理監督者照査」という。)に係る手順を文書化しなければならない。
  2. 管理監督者は、前項の規定により文書化した手順に従って、あらかじめ定めた間隔で管理監督者照査を実施しなければならない。
  3. 製造販売業者等は、管理監督者照査の結果の記録を作成し、これを保管しなければならない。

【ワンポイント!】管理監督者照査の実施について

管理監督者照査(=マネジメントレビュー)について、QMS省令では

  • 手順書を作成し、
  • 定められた間隔で照査を実施し、
  • 記録を作成して保管する

といったざっくりとした規定しかなされていません。

具体的にどのように管理監督者照査(=マネジメントレビュー)を実施すれば良いかについて、以下の記事にまとめましたので是非ご参照ください。

19条 管理監督者照査に係る工程入力情報

  1. 管理監督者は、次に掲げる情報を管理監督者照査に用いる工程入力情報としなければならない。
    1. 製品受領者および供給者からの意見
    2. 苦情の処理
    3. 厚生労働大臣、都道府県知事または医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号。以下「令」という。) 第37条の23に規定する医療機器等製造販売業許可権者への通知
    4. 監査
    5. 工程の監視および測定
    6. 製品(限定一般医療機器に係る製品を除く。)の監視および測定
    7. 是正措置(不適合(この省令に規定する要求事項等に適合しないことをいう。以下同じ。)の再発を防止するために不適合の原因を除去する措置をいう。以下同じ。)
    8. 予防措置(起こり得る不適合の発生を防止するために、その原因を除去する措置をいう。以下同じ。)
    9. 従前の管理監督者照査の結果を受けてとった措置
    10. 品質管理監督システムに影響を及ぼすおそれのある変更
    11. 部門、構成員等からの改善のための提案
    12. 前回の管理監督者照査の後において、新たに制定され、または改正された法令の規定等

20条 管理監督者照査に係る工程出力情報

  1. 製造販売業者等は、管理監督者照査に用いる工程入力情報および管理監督者照査から得られた次に掲げる事項(限定一般医療機器に係る製品にあっては、第2号に掲げる事項を除く。)を記録するとともに、所要の措置をとらなければならない。
    1. 品質管理監督システムおよび工程の適切性、妥当性および実効性の維持に必要な改善
    2. 製品受領者要求事項に関連した製品の改善
    3. 前回の管理監督者照査の後において、新たに制定され、または改正された法令の規定等への対応
    4. 次条に規定する必要な資源