欧州委員会がIVDRの移行期間の延長の提案を発表しました。
IVDRの移行による影響を受ける製品数の多さ、認定されたNB(Notified Body/認証機関)の少なさ、コロナ禍の影響などを鑑み、EU域内のIVDの供給を滞らせることなくIVDRに移行するための措置です。
今回の提案では、IVDD下でNBの関与を必要としていないIVDの移行期間が規定されています。
クラスに応じて1~3年の移行期が設けられることになります。
なお、IVDRの完全適用日自体は2022年5月26日で変更はありません。
市販後サーベイランス、ビジランス、経済事業者の登録等の要求事項には2022年5月26日以降は完全に準拠している必要があります。
2021年10月14日、欧州委員会がIVDR(In-Vitro Device Regulation / Regulation (EU) 2017/746)の移行期間の延長提案を発表しました。
提案によると、各クラスごとの移行期間は以下のようになります:
クラスDが最もリスクの高い製品、クラスAが最もリスクの低い製品です。
製造業者は上記の移行期間内にNBによる認証を受ける必要があります。
今回の提案は、IVDRへの移行による混乱により、EU市場における必要なIVDの供給が妨げられることを防ぐことを目的としています。
IVDRへの移行による混乱をきたす原因として、以下があります:
IVDRの第110条は2022年5月26日以前に、IVDD(In-Vitro Device Directive)に準拠してNB(Notified Body)から認証書の発行されているIVDに対する移行期間を規定しています。
当該規定では、2025年5月26日までの間はIVDDによる認証書が有効とされています。
しかしながら、当該規定はNB認証が必要なIVD(市販されるIVD全体の8%)のみにしか適用されません。
IVDRの完全適用により、NBの関与が必要となるIVDは市販されるIVD全体の80%に増加します。
そのうちの大半がIVDR規制により新規にNBの関与が必要となるIVDです。
現時点でIVDRの認証をできるNBはたったの6機関です。
また、それらのNBは3か国(ドイツ、フランス、オランダ)を拠点にするもので、コロナ禍の現状において国際的な移動が制限されている今、各国の製造業者の認証活動を行うことが困難な状況です。
上記の問題に対処し、必要なIVDの欧州市場への供給を妨げることなくIVDRを適用していくために、今回の延長提案がなされました。
今回の移行期間の延長提案はIVDRの適用をクラスごとに段階的に行っていくというものです。
なお、IVDRは2022年5月26日に完全適用されます。
完全適用日自体の本提案による延期はありませんのでご留意ください。
などは今回の延長提案にかかわらず、2022年5月26日より適用されます。